船釣り |
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船釣り |
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| 船釣り 正直に言いまして、船釣りは、あまり好きな釣りではありませんでした。 それは、見ず知らずの人と乗り合わせて、船頭さんにポイントまで 連れて行ってもらって、さらに魚群探知機(魚探)で魚がいるのを確かめてから 釣るのは、何かズルイような気がして、おもしろ味に欠けると思っていました。 しっかーし、実際に船釣りをしてみると、ほかの釣りとは、また違った おもしろさがあることに気づきました。それに、よく考えると、釣りはもともと 一人でできる遊びですので、ほかの人を気にする必要はありません。 それどころか船釣りをする人には気のいい人が多く、気軽に話ができたりして、 それがけっこう楽しかったりします。 それに、船釣りは沖に出て釣りをしますので、思いがけない自然のスゴさに 出会えたりします。 例えば、大阪からも近い淡路島で船釣りをしたときは、切り立った断崖が ずっと続いている原生林を見て、「淡路島にこんな自然があったのか」と ビックリしました。 また、北九州から高速艇で1時間半くらい北上して船釣りをしたときも、 自然のスゴさを見ることができました。 それは、遠くの方から薄暗いオーロラのような雨雲が近づいてきて、 それまでの暖かい空気が、つめたい空気へと変わったのです。それも、 ぼんやりとではなくハッキリと、体の右側からサーッとつめたい空気に変わって いきました。 そしてその直後、ドシャ降りになりました。雨はほんの数分で止み、また暖かい 空気に変わりました。船の上から、過ぎていく雨雲を見ていると、 まるで生き物のように、空を泳いで雨を降らせているようでした。 【仕掛け】 船釣りの仕掛けは場所や魚種によってさまざまですが、ここではオーソドックスな マダイの胴付き仕掛けについて紹介します。 竿は船竿の30号〜50号の3.9m〜5.4m(和歌山の加太では 2.7mの短い竿を使います)、船釣り用両軸リールに道糸はPEラインの 3号〜5号、幹糸はナイロン5号を3mとり、その上、下、まん中(1.5m間隔)に ハリス4号を1m付けます。 ハリはマダイ針9号以上、オモリは25号〜50号程度です。 エサは海エビかオキアミ、またはサバ皮やナイロンを使ったギジ針などです。 船釣りで難しいのは、「底取り」です。なにしろ沖に出ての釣りですので、 水深も深く、うねりもあってオモリで底を取り続けるのが難しいのです。 船を流しながら釣りますから、海底の形状が変わったときに底をはずしてしまい、 糸がどんどん出て行く、ということがよくあります。 こうなると、おまつりのもとです。流れていった仕掛けが、ほかの人の仕掛けと 絡んでしまします。船釣りでおまつりはつきものですから、 ある程度は、しかたありませんが、2度も3度もやってしまいますと、 船頭さんから個人レクチャーを受けることになります。 底取りができるようになったら、もう大丈夫です。なにしろ、魚のいることは 確認済みです。潮さえ良ければ、船釣りで、まずボーズはありません。 (きっと、おそらく、たぶん・・・) 船釣りにもいろいろな思い出があるのですが、今回は、強烈な引きの 高速ランナー、「メジロ」について紹介します。(メジロはブリとハマチの 中間の大きさで、大きさは70cm〜80cmぐらい) 例によりまして、友人のIさんと和歌山県の日の岬沖にメジロ狙いで、 船釣りに行きました。季節は12月、冬の海は荒れていて、風も強く、 過酷な釣りを予感させます。 船は小型で貸切です。道具を積んでいざ出船、防波堤を出ると、 風とうねりが強く、一日中治まりそうもありません。船にあたる波が 水しぶきになって、顔をたたきます。小型の船に不安を感じながらも 覚悟を決めて、準備にかかります。 この日の釣りは、ウキの流し釣りです。80cmほどあるウキを 100mくらい流して、1本針でメジロを狙います。タナは14m〜15m、 マキ餌、サシ餌ともオキアミを使います。 仕掛けをおろして、ウキが立ったら、大きく1回アオります。 これでマキ餌が出て、仕掛けを包むように、海中に広がります。 そのまま流すと、マキ餌と仕掛けが同調してメジロを誘うというわけです。 100m流してアタリがない場合は仕掛けを回収して、また同じことをくりかえします。 足もとの不安定な船の上で、手動で100m巻取るのはなかなかの重労働です。 (最近は電動リールを買って楽をしていますッ!) しかし、いくら流してもメジロのアタリはありません。たまに力なく ウキを引き込むのは30cmくらいのカツオです。船頭さんの話では、 メジロは日によってムラがあり、2〜3本釣れる時もあれば、 ボーズの時もある、ということでした。 「今日はボーズの日かな」とおもったとき、最初にメジロを掛けたのは やっぱり、Iさんでした。沖合い70m〜80mを流していたウキが、 一気に消し込んだのです。 あっ、とおもった時には手元にまで強烈な引きが伝わります。 折れてしまうのではないか、というほど竿が曲がり、ドラグが逆転して 糸が出ていきます。 Iさんは、その強引な引きに耐えて竿を立てています。リールを少しずつ巻いて メジロを寄せてきますが、すぐに走って糸がでていきます。 小さな船の上を、前後に移動しながら、やり取りしています。 メジロのスピードと、パワーに圧倒されながらも何とか寄せることができました。 5分くらいかかったとおもいますが、最後は船頭さんが玉網を入れてくれました。 釣り上げたのは、76cmの立派なメジロです。船の上で見るメジロは、 胴回りがタップリしていて力強く、流線型の魚体は芸術作品のように美しくて、 つい魅入ってしまいました。 Iさんは、慣れない船の上でのメジロとの壮絶なやり取りと、 無事取り込めたことの安堵と、はじめてメジロを釣ったうれしさが一体となって、 ヘロヘロになっていました。 そのあと、ついに私にもメジロがきましたッ!仕掛けを入れて、ウキが立った 瞬間、ウキがズボッ、と海中に消えました。アワせるヒマもなく竿が曲がります。 体ごと船から海に引きずり込まれそうです。 メジロは、休むことなくスゴい力で走ります。スピードと、パワーもスゴいですが、 重量感がまた格別です。大型魚特有の重さを感じながら、 まさに魚と格闘する感じで必死で取り込みました。感動の一匹は、 Iさんが釣ったものと同サイズのメジロでした。 そして最後に、またもや、Iさんがメジロを掛けました。しかも、そいつは それまでよりさらに強烈な引きです。まちがいなく大物です。 最初にこれが掛かっていたら、おそらく取り込めなっかたでしょう。 一度メジロを釣った経験が余裕となって、取り込めたのだとおもいます。 このメジロは84cmあり、比べてみると前の2匹より2回りくらい 大きいサイズでした。船頭さんも「これは、もうブリや」といっていました。 大満足で家に帰ることになったのですが、魚が大きすぎて持っていった クーラーボックスには入りません。しかたがないので、ゴミ袋の氷を入れて、 それにメジロを入れました。 そして、近くの釣具屋さんで、発泡スチロールの箱を買って、無事帰りました。 こんな大物を釣ることが出来たのも、船釣りだからこそです。 船釣りの楽しさに気づいた私は、今ではいろいろな船釣りを楽しんでします。 (大物を求めるIさんは、船釣り専門になっています。) さて、家に持ち帰ったメジロ(ブリ)を料理をするのに、魚が大きすぎて、 Iさんは風呂場でサバいたといっていました。そしてそれは、魚をサバくというより、 解体している、といった感じだったそうです。 船釣りの一本釣りで釣った、冬場の天然メジロの味は、 本当に「もう、サイコーッ!」ですよ。 |
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