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野池のへらぶな釣り
私がはじめて釣りをしたのが、野池のへらぶな釣りでした。
小学校の3年生ぐらいだったとおもいます。
当時、住んでいた家の近くに野池が3つあり、ひとつは農業用の野池(ため池)、
ひとつは川のはずれにできた野池、そしてもうひとつは公園の中にある野池です。
最初のころは、親戚のお兄さんたちといっしょに釣り行ってました。
道具はすべて、父親からのお下がりです。エサのミミズを掘って、
大きな玉ウキをつけて、見よう見まねで釣ってみるのですが、
へらぶなは、全く釣れませんでした。それでも休みの日になると、
朝から野池に釣りに行っていました。
そんな私が本格的に野池のへらぶな釣りをはじめたのは、
中学生になってからでした。同級生2人を誘って、釣りクラブを作ったのです。
自分たちのこづかいで、道具をそろえていくのも楽しいものでした。
竿、竿受、竿ケース、イス、スカリ、玉網、道具箱などの大きなものから、
ウキ、糸、オモリ、ウキゴム、ハリといった小物類までそろえていきました。
私たちがよく行ったのは、公園の中にある野池でした。
公園といっても自然の林を利用して作った公園ですので、規模もかなり
大きいものです。テニスコートや野球場、ランニングコースや遊歩道などがあり、
野池は公園の北の端にありました。
その野池は、周囲500mくらいある大きな野池で、休みの日には子どもに混じって、
ベテランのへらぶな釣師も来ていました。
【仕掛け】
野池のへらぶな釣りの仕掛けは、へらぶな竿5.4mに道糸1.5号、
ハリスは0.6号〜1号、ハリは返しのついていないスレ針をつかいます。
2本針にして15cmほどの段差をつけます。
ウキはへらウキ、エサは魚用のうどんにサナギ粉をまぶしたものや、
マッシュポテトに集魚材を混ぜてつかいます。

【タナ】
野池での釣り方はまず、タナ取りゴムをハリにつけて、その野池の
タナ(水深)を測ります。ウキが沈むとタナを上げ(ウキの位置を上にずらす)、
反対にウキが寝たままだとタナを下げます。
ちょうどウキがたって、目盛りのところで、とまるようにタナを調整します。
実は、このタナの調整が、野池のへらぶな釣りの第一のポイントです。
小学生のころはタナ取りを知らずに、見当違いのタナをずっと釣っていたのです。
【エサ】
エサもよく考えられていて、2本針の上のほうにバラケをつけて、
下のほうにクワセのエサをつけます。バラケとは、水によく溶けて
魚を寄せるためのマキ餌です。
クワセの方はエサもちがよく、文字通り、魚を食わせるためのサシ餌です。
クワセのエサを底に這わせて、15cm上でバラケで魚を寄せるイメージです。
【振り込み】
次に竿のあつかい方です。野池で使う竿は5.4mの長い竿で、
狙ったポイントに正確に仕掛けを投入する技術が必要になります。
魚を寄せるためには、手返しよく同じポイントにエサを撒かなければなりません。
野池の場合は、ポイントがどうしても遠くになりますので、「振り込み」という
投げ方になります。
「振り込み」はイスに座ったままの状態で竿をたてます。ハリスを左手で持ち、
ほんのすこし竿を前に傾けます。ハリスを放すと振り子の原理でエサがゆっくりと
前に振れます。
エサが、もどってくる寸前に、竿をうしろに大きく回して、ボールを遠くに
投げるように振り込みます。エサがやわらかいので、力の加減が
非常に難しいです。
エサを無事に投入して、底に着くとウキが立ちます。このときウキは、
トップ(ウキの先)が少し出ているだけですが、エサが徐々に溶けていくに
したがって、上に上がってきます。
エサが無くなると、トップ部分がすべて水面にでてしまいますので、
仕掛けを引き上げて、もういちどエサをつけて投げ込みます。
野池のへらぶなのアタリはとても小さくて、ウキの目盛りが一つか二つ、
スッと入る程度です。すこしでもアワせるのが遅れると、ハリに乗りません。
ですから、みんなウキを見る目は真剣そのもので、集中力が必要です。

【アワセ】
アワせ方は、アタリがあった瞬間に、へらぶなの上あごにハリがかかるように、
手首を返します。ハリにかかった直後、へらぶなは、底に潜ろうとしますので、
竿の弾力でこれに耐えます。
ここで無理に上げようとすると、ハリスが切れてしまいますので、注意が必要です。
ポイントは、できるだけ竿を立てて、竿と糸の角度が90度ぐらいになるように
します。こうすると竿の弾力が十分に生かせて、魚が引いた分だけ竿が曲がり、
ハリスが切れることはありません。
魚がすこし上がってきますと、腕と竿が一直線になるように真上に上げます。
そうするとへらぶなが水面に浮いてきますので、一回、空気を吸わせます。
空気を吸うと、へらぶなはおとなしくなり、あとは水面をすべるように寄ってきます。
寄ってきたへらぶなが、うまく収まるように玉網で待ち構えます。
網で魚をすくいにいくのではなく、魚を網に入れにいく感じです。
以上が野池のへらぶな釣りの概要ですが、入りやすくて、奥の深いのが、
野池のへらぶな釣りです。
食べることが目的ではありませんので、かえって魚に対するいたわりや
自然を守る大切さを感じさせる釣りでもあります。
最近は、釣りが出来る野池が減ってきていますので、みんなで野池や自然を
守っていきたいものですね。
魚や自然に感謝して、自分で出したゴミはもちろん、せめて自分の周りに
落ちているゴミを、拾って帰りましょう。

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